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子ども噛む力を鍛える食べ物・おやつ|顎の発達を助ける工夫と注意点

2025年12月22日


噛む力や顎の発達は、食べ物を細かくするためだけでなく、歯並びや全身の健康にも深く関係しています。


特に成長期の子どもにとって、しっかり噛む習慣は、顎の骨格形成や口腔機能の発達に大きな影響を及ぼします。


このブログでは、子どもの噛む力を鍛える食べ物・おやつ、家庭でできる工夫や注意点などを解説します。


■子どもが噛む力を鍛えることが大切な理由


噛むことは、顎の骨や筋肉の成長や健康に深く関係しています。ここでは噛む力がどのように成長や健康に関係しているのかを解説します。


◎顎の発達や歯並びに関係している

子どもが食べ物をしっかり噛んで食べることは、顎の骨や筋肉の発達につながります。噛む回数が多いほど顎の筋肉が均等に使われ、骨格もバランスよく成長していきます。


その結果、歯がきれいに生えるスペースが確保され、歯並びや噛み合わせが整いやすくなります。また、しっかり噛んで食べると、唾液分泌を促し食べかすが洗い流されやすくなるため、むし歯予防も期待できます。


◎全身の健康や脳の発達に影響を与える

噛むことは口腔内や顎だけでなく、全身の健康や脳の発達にも関係しています。よく噛むことで脳に適度な刺激が伝わり、集中力や記憶力の向上が期待できると考えられています。


また、噛むことで唾液の分泌量が増えると、消化が助けられ、腸や体全体の働きにも良い影響を与えます。


■噛む力を鍛える食べ物・おやつ


噛む力を鍛えるには、硬い物ばかりでなく、子どもが自然と噛む回数が増えるような食べ物・おやつを食べることがポイントです。ここでは噛む力を鍛えるためにおすすめの食べ物・おやつを紹介します。


◎自然と噛む回数が増えるおすすめの食べ物

おすすめの食べ物:にんじんや大根などの野菜スティック、ブロッコリー、薄切りのリンゴ、タコやイカ、お肉など


硬すぎる食べ物は、十分に噛まずに飲み込んでしまう可能性があります。

硬すぎずやわらかすぎない食べ物は、自然と噛む回数が増えます。顎や口周りの筋肉をバランスよく使うため、顎の筋肉が育ち、噛む力が自然と鍛えられます。


◎噛む力が鍛えられるおすすめのおやつ

おすすめのおやつ:グミ、ガム、せんべい、フルーツ類、ナッツ類、団子、するめ、干し芋、枝豆、とうもろこしなど


おやつも噛む力を鍛えるチャンスとなります。適度な硬さのあるおやつを選ぶことで、楽しみながらしっかり噛む習慣が身につきます。注意点としては、できるだけ砂糖や塩分が控えめのおやつを選び、時間を決めて食べるようにしてください。


■噛む力を鍛えるために家庭でできる工夫


家庭で少し意識するだけで、子どもの噛む力を鍛える助けになります。具体的な食事の工夫や日常でできるポイントを紹介します。


◎食べ物の大きさや形、食べ方を工夫する

柔らかすぎるものばかりでは噛む回数がそれほど増えず、顎の筋肉が十分に鍛えられません。一方、少し噛み応えがあるものや、食材の大きさや形、食べ方を工夫することで、自然と噛む回数を増やせます。


【具体例】


  • カレー:
    煮込み過ぎて具材が柔らかすぎるより、少し大きめのにんじんや肉を入れることで噛む回数が増えます。


  • 鶏肉:
    ナゲットより骨付きチキンの方が、食べにくさから自然と噛む動作が増え、顎の筋肉をしっかり使うことにつながります。


  • アイス:
    カップアイスをスプーンで食べるときは舐めるだけで済むことが多いですが、棒アイスはかじって食べることが多いため、噛む力が鍛えられます。


このように食材の形や大きさ、食べ方の工夫で自然と噛む回数を増やすことで、顎や口まわりの筋肉が鍛えられます。


◎子どもに左右バランスよく噛むように意識させる

片側だけで噛む癖があると、顎の筋肉や骨格のバランスが偏り、顎の骨の成長や歯並び、噛み合わせに影響を与える可能性があります。そのため、片側ばかりで噛んでないか観察し、両側でバランスよく噛むように声掛けすることが大切です。


また、1口ごとに「しっかり噛んでから飲み込もうね」と声掛けをしたり、食材の形や分け方を工夫して自然に噛む回数を増やしたりすることで、よく噛む習慣を身につけられます。


■よく噛む習慣を身につける際の注意点


よく噛む習慣を身につける際に、いくつか注意しなければならない点もあります。


◎食べるときの姿勢に注意する

食事中は背筋を伸ばして座り、テーブルの高さや椅子の高さも合った状態で食べることが大切です。姿勢が悪いと口や顎の動きにくくなり、噛む動作に影響することがあります。


◎食事中はテレビやスマホを控える

テレビやスマホを操作しながら食べると、無意識のうちにあまり噛まずに飲み込んでしまう原因になることがあります。食事中はテレビやスマホを控え、家族で会話をしながら楽しく食事をすることで、自然に噛む回数は増えていきます。


◎食材の硬さや量を年齢や咀嚼力に合わせる

硬い物ばかり食べていると、顎関節や歯に大きな負荷がかかり痛めてしまう可能性があります。また、十分に細かく砕けるまで噛まずに飲み込んでしまうリスクがあります。そのため、食べ物は年齢や咀嚼力に応じたものを選ぶことが大切です。


【つづき歯科では栄養士による食育指導を行っています】


子どもの噛む力は、顎の発達だけでなく、全身の健康や食事習慣にも影響を与えます。食事やおやつで食材の形や食べ方を工夫し、左右バランスよく噛むことを意識するだけで、自然と顎の筋肉が鍛えられます。


当院では、子どもの健やかな成長のために食育指導を行っています。よく噛んで食べる習慣づけだけでなく、食育を通して子どもが健康な体と心に育つようにサポートします。お子さんの食育に興味をお持ちの方は、当院までお気軽にご相談ください。


つづき歯科
歯科医師

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