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炭酸ガスレーザー

2020年11月3日
こんにちは
今回は当院で最近導入した、炭酸ガスレーザーについてお話します

歯科で使用されるレーザーは様々なものがあり、レーザーの種類により用途や得意分野も異なります。

当院では、現在日本の歯科医院で普及率の高い炭酸ガスレーザーを導入しています
炭酸ガスレーザーには、
①痛みをとる
②傷や炎症を早く治す
③免疫機能を高める    
という大きなメリットが3つあります。


レーザーは光のエネルギーが熱エネルギーに変わります。
レーザーの種類により熱エネルギーが組織の深部・歯の内部まで届いてしまい、思わぬ副作用が出る可能性があるものもあります。
しかし、炭酸ガスレーザーは99%以上水分に吸収されるという性質を持っています。
痛みのある部位・炎症を起こしている部位は水分が多いので、炭酸ガスレーザーは炎症部位だけに作用することができて、他の部位に影響を及ぼす可能性がほとんどなく、安全なレーザーとして広く認められています


炭酸ガスレーザーは、安全で副作用がないため、
妊娠中の方、ペースメーカーを使用している方、高血圧の方、人工透析をされている方でも安心して治療を受けていただくことができます


レーザー治療内容

 


レーザーには以下のような効果があります。

消炎効果
(炎症を抑えます)
鎮痛、除痛効果
(痛みを抑えたり、痛みを減らしたりします)
殺菌、消毒効果
(治療のしにくい患部も治療できます)
組織の活性化作用
(粘膜を健康な状態に戻します)
麻酔作用
(麻酔注射の頻度と量を減らします)
止血効果
(抜歯後などの出血を止めることができます)
組織の蒸散
(病的な組織をなくします)
温熱効果
(血流を良くして、組織の修復を促進できます)

これらの効果を使って、実際のレーザー治療で次のような治療を行っています。

 

虫歯予防

レーザーを使用することで、歯ブラシの届かないところの菌を殺菌します。
その上、歯を強くするためのフッ素も浸透しやすくなります。

歯周病治療

歯周ポケット内の毒素除去は基本的に物理的な掃除によって行われますが、さらに炭酸ガスレーザーを使用して歯周病菌を死滅させることで治療の有効性を高めることができます。


知覚過敏

知覚過敏治療薬と併用して、レーザーにより厚い膜を作り孔を塞ぐことができ、痛みやしみることを防ぐことができます。

 
口内炎・口角炎

お口の中や唇にできる口内炎や口角炎の痛みはとても辛いです。
レーザーを当てる事でかさぶたを作り、痛みが和らぎ、治りも早くなります。
義歯が当たってできる潰瘍にも同様の効果があります。
術中は少しチクチク感じますが、痛みがありお困りの方はオススメです
よくスタッフにも行っています

 
軟組織の切開

炭酸ガスレーザーには止血効果があるため、歯肉や上唇小帯・頬小帯・舌小帯などの軟組織の切開を短時間に安全に行うことができます。
出血も少ないので、メスで切開するよりも傷が綺麗に早く治ります。
術中・術後も痛みが少ないことも大きなメリットです。

 
歯ぐきの黒ずみ

歯ぐきの黒ずみの主な原因はメラニン色素です。
日焼けと同じメラニン色素により、歯ぐきが黒くなることがあります。
レーザー治療によってこの黒ずみを短時間で除去することができます。
数日後には、元の綺麗なピンク色の歯ぐきに生まれ変わります。
ただし、保険外診療となります。

 
顎関節症の治療

「顎が痛い」「口を大きく開けられない」「口を大きく開けると音がする」「顎が疲れる」などの症状がある場合、顎関節症の疑いがあります。
その顎関節症の中で、筋肉の症状に対して、レーザーによる筋肉への温熱療法により症状を和らげることが期待できます。

 
歯の根の治療(根管治療)や歯髄温存療法

レーザーを根管内に照射して、殺菌効果の他に炎症を抑えたり、免疫力を高めるといった効果があり、根管治療においてより確実な治療を行うことができます。
温熱効果を使い、歯髄(歯の神経)組織の修復を促進させることもできます。


このように、様々な用途で炭酸ガスレーザーは患者さんに対して有効だと思います