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乳歯の虫歯で永久歯の歯並びがガタガタに?ママの不安に歯科医が回答

2026年7月19日
乳歯の虫歯で永久歯の歯並びがガタガタに?ママの不安に歯科医が回答

「どうせ生え変わるから」その油断、少しだけ立ち止まって


お子様の奥歯に黒い影を見つけて、胸がざわついていませんか。「乳歯はいずれ抜けるから」と思う一方で、永久歯への影響が気になりますよね。そのお気持ち、とてもよく分かります。この記事では、乳歯のむし歯が歯並びや歯質に関わる仕組みと、忙しい毎日でも続けやすい予防のコツを歯科医の視点でお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 乳歯のむし歯は永久歯のスペースや歯質、口内環境に関わる可能性がある
  • 乳歯を早期に失った際は保隙装置で永久歯のスペース保持を検討できる
  • 夜の仕上げ磨きやフッ素塗布・シーラントなど無理なく続けられる予防法がある

乳歯のむし歯が永久歯に与える3つの悪影響(歯並びと歯質のリスク)


乳歯は生え変わるとはいえ、その状態は次に生えてくる永久歯へ静かに関わってきます。厚生労働省も、乳幼児期からの口腔管理の大切さを国民向けに発信しています1。ここでは、代表的な3つの関わりを見ていきましょう。


永久歯の生えるスペースが狭くなり歯並びがガタガタになる


乳歯には、次に生える永久歯を正しい位置へ導く「道しるべ」の役割があります3。ところが、むし歯で歯が小さくなったり早期に抜けたりすると、両隣の歯が空いた隙間へ寄ってくることがあります。すると、本来永久歯が並ぶはずのスペースが失われ、歯並びや噛み合わせが乱れる一因になると考えられています。乳歯の健康は、顎の発育とも深く結びついているのです。


永久歯の芽(歯胚)が影響を受け変色や形成不全(ターナーの歯)が起こる


乳歯のすぐ下では、永久歯の芽(歯胚)が育っています。むし歯が進行して根の先まで炎症が及ぶと、その刺激が発育中の永久歯に影響することがあります3。生えてきた永久歯が部分的に黄色や茶色に変色したり、エナメル質がもろくなったりする状態は「ターナーの歯」と呼ばれます。こうした場合でも、コーティングや被せ物などで見た目や歯質を整える方法がありますので、まずはご相談ください。


お口の中のむし歯菌が増え新しい永久歯もむし歯になりやすくなる


むし歯をそのままにしておくと、お口全体にむし歯菌が多い環境が続いてしまいます。生えたての永久歯はエナメル質がまだやわらかく、むし歯菌の影響を受けやすい時期です1つまり乳歯のケアは、将来の永久歯を守る土台づくりそのものといえます。日本歯科医師会も、継続的な口腔ケアの重要性を呼びかけています4


乳歯を早期に失った場合の救世主「保隙装置(スペースリテイナー)」とは?


むし歯の悪化などで乳歯を早めに抜くことになった場合でも、打つ手はあります。将来の永久歯のために隙間をキープする「保隙装置」が、その一つです3


永久歯のスペースをキープする保隙装置の種類


保隙装置は、永久歯が生えてくるまでの間、抜けた場所の隙間が塞がらないよう保つための装置です。代表的なものには、両隣の歯に金属の輪を固定して隙間を守る「クラウンループ」や、複数の歯にまたがるタイプなどがあります3。いずれもお子様の負担が少なく、日常生活に大きな支障が出にくいよう工夫されています。装置はあくまで、永久歯が正しい位置に生えてくるまでの一時的なサポート役とお考えください。定期的に成長を確認しながら調整していきます。


保隙装置にかかる費用相場と自治体の助成制度の適用について


保隙装置は、症例やお口の状態によって保険適用となる場合と自費診療となる場合があります。自費の場合の費用目安は装置の種類によって幅があるため、事前に丁寧にご説明します。豊田市をはじめ、乳幼児・子ども医療費助成の対象となるケースもありますので、お住まいの自治体制度もあわせてご確認いただくと安心です2早めに隙間を守っておくことは、将来の小児矯正(第一期・第二期治療)の負担軽減につながる可能性があります。歯並びを守るための投資として、長い目で検討する価値があるでしょう。


お子様が怖がらない「つづき歯科」の優しいむし歯治療プロセス

お子様が怖がらない「つづき歯科」の優しいむし歯治療プロセス

「歯科医院で大泣きしたらどうしよう」「親の管理不足を指摘されないか」と身構えてしまう保護者さまは少なくありません。まず、お子様のむし歯は保護者さまお一人の責任ではありません。当院では、ご家族と一緒にこれからのケアを考える姿勢を大切にしています。


初めてでも安心!器具に慣れることから始めるお子様向けの工夫とステップ


当院では、初めてのお子様にいきなり処置を行うことは避け、まずは診療台に座る練習や器具に触れる体験からスタートします3。水や風を出す器具の感触に少しずつ慣れてもらい、「できた」という自信を積み重ねていきます。痛みへの配慮として麻酔の工夫も行い、必要に応じて笑気麻酔などのリラックスできる方法もご案内できます。大切なのは、歯科医院を「怖い場所」にしないこと。焦らず、お子様のペースに合わせて進めていきます。


サホライド(進行抑制剤)や神経の治療を行う場合の判断基準


むし歯の進行度によっては、削らずに薬剤を塗ってむし歯の進行を抑える「サホライド」を選ぶこともあります。塗った部分が黒く変色する特徴があるため、見た目とのバランスを保護者さまと相談しながら判断します。また、むし歯が深い場合でも、可能な限り乳歯の神経を残す治療を検討します。神経は永久歯を育てる土台とも関わるため、残せる神経はできるだけ守るという考え方を基本にしています3。状態を見極めながら、お子様に負担の少ない方法を一緒に選んでいきましょう。


忙しい共働き家庭でも今日からできる!将来の歯並びを守る予防ケア


毎食後に完璧な仕上げ磨きをするのは、共働き家庭にとって簡単なことではありません。だからこそ、ポイントを絞った効率的なケアが役立ちます1


1日1回で効果的!短時間でしっかり磨く仕上げ磨きのコツと便利グッズ


すべての食後に完璧を目指すよりも、まずは「夜の寝る前だけは念入りに」とメリハリをつけることをおすすめします。就寝中は唾液が減り、むし歯菌が活動しやすくなるためです1。狙うべきは、むし歯になりやすい「上の前歯の付け根」と「奥歯の噛む面の溝」。ここを重点的に磨くだけでも効果が期待できます。歯と歯の間はデンタルフロスを併用すると、汚れを効率よく落とせます。だらだら食べを控え、間食の時間を決めることも予防の基本です。


歯科医院で受けるフッ素塗布とシーラントによる予防効果


家庭のケアに加えて、歯科医院での予防処置を組み合わせると心強いです。プロによる高濃度のフッ素塗布は歯質を強くする助けになり、定期的な塗布が推奨されています13。また「シーラント」は、奥歯の複雑な溝をあらかじめ樹脂で埋めて汚れが溜まりにくくする処置で、むし歯予防に役立ちます3。当院では、診療報酬改定に伴う保険診療の窓口負担額の変更についても、その都度ご案内していますので、費用面もお気軽にお尋ねください。予防への一手間が、結果的に将来の治療負担を軽くすることにつながります。定期健診とあわせて、お子様のお口を一緒に育てていきましょう。


よくある質問


Q. 乳歯のむし歯を治療せず様子を見ても問題ないですか?

A. 乳歯はいずれ生え変わりますが、むし歯をそのままにすると永久歯のスペースや歯質、お口全体の菌の環境に影響することがあります。自己判断で様子を見るより、一度歯科医院で状態を確認することをおすすめします。


Q. 子どもが歯科医院を怖がって治療できるか心配です。

A. 当院では、いきなり処置に入らず、器具に慣れる練習から始めるなど、お子様のペースに合わせて進めます。焦らず段階を踏むことで、少しずつ通えるようになるお子様が多くいらっしゃいます。


Q. 仕上げ磨きは何歳頃まで続けたほうがよいですか?

A. 手先の器用さや生え変わりの時期には個人差があります。目安として小学校中学年頃までは、特にむし歯になりやすい奥歯を保護者さまが確認してあげると安心です。


Q. フッ素塗布やシーラントはどのくらいの頻度で受ければよいですか?

A. お子様のむし歯リスクやお口の状態によって異なります。定期健診のタイミングで受けていただくことが多いため、来院時にご相談ください。


Q. 治療費や助成制度について事前に相談できますか?

A. はい。保険適用の有無や自治体の子ども医療費助成の適用について、来院時に丁寧にご説明します。費用面の不安があれば、お気軽にお尋ねください。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

2. 厚生労働省「歯科口腔保健(関連情報)」 https://www.mhlw.go.jp/

3. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


都築 秀幸

医師


つづき歯科

院長

都築 秀幸

▶ 監修者プロフィール

経歴
2011年 日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業
2011年 愛知学院大学歯学部附属病院 総合診療科
2012年 名古屋市内歯科医院 勤務
2018年 つづき歯科医院 常勤
2019年 つづき歯科 開業
資格・所属学会
【所属学会】
・日本ヘルスケア歯科学会
・JSPP(全国小児歯科開業医会)
・公益社団法人日本糖尿病協会
・日本小児矯正研究会
・日本顕微鏡歯科学会
・日本口育協会
【資格】
・インビザラインドクター
・日本糖尿病協会登録歯科医
・口育士